アジアを考えるための本（２）

東京支部の河内謙策です。（このメールの転送・転載は自由です。）
中国製の餃子の問題が大きな話題になっていますが、私は、この機会に、単に食の安全に止まることなく、中国の危険な側面に何故今まで日本で警鐘が乱打されてこなかったのか、あるいは警鐘乱打が不十分だったのか、問題を深く掘り下げる必要があると思います。問題を政府・与党やマスコミの責任だけに帰してはならないと思います。危険な中国の問題点をとりあげると“右翼・反動に同調するのか”と言って中国の現状に批判的な言論を抑圧してきた日本の平和運動の指導部の姿勢の問題、さらに中国問題をとりあげなくても平気な日本の多数の平和活動家の知的怠慢等の問題もあります。この問題を多くの日本の平和活動家がみずからの問題として考えるようになることを願っています。
＊福島香織著『危ない中国　点撃』産経新聞出版
この本は、北京在住の記者である福島氏のみずみずしい感覚があふれています。とにかく面白い本です。
＊若林正丈『台湾』（ちくま新書）
＊宗像隆幸『台湾独立運動私記』（文藝春秋）
＊阮銘『共産中国にしてやられるアメリカ』（草思社）
＊永山英樹『日本の命運は台湾にあり』（まどか出版）
先日の私のメール「アジアを考えるための本（１）」には、台湾関係の紹介が欠落して皆様に申し訳ないことをしてしまいました。その理由は簡単です。私が不勉強で、どのような本を紹介してよいか分からなかったからです。しかし、台湾の総統選挙が3月22日（土）なので、私の知っている本を、とりあえず紹介させていただきました。先日の立法院選挙については、『正論』３月号の宮崎正弘論文が興味ある現地の状況を伝えています。台湾の人の発言は右翼的だ、と言って嫌う人もいますが、台湾の置かれている状況が、日本と違うのです。また、台湾の独立運動勢力の支援要請を日本の左翼が拒否したという過去の事情もあるようです。とにかく、色眼鏡をかけないで、台湾の人の訴えに耳を傾けてください。

河内謙策

　

Kensaku Kawauchi
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